[本書の内容]日本国内のエアライン定期便から窓越しに撮影した日本の大地、山、川、都市などの写真を掲げ、その場所の地図と簡単な地学的説明をやさしく付けた写真集。撮影年月日と出発地・到着地が明記され、実際に飛行機に乗ったときのガイドとなる本。地質屋である著者らは毎週のように飛行機を利用し、カメラで撮りつづけた。その中から140点の日本の地形写真を紹介する。
[本書の特色]
(1)いわゆる空撮はチャーター便や専用機で行われるため違ったアングルから撮られていますが本書はすべてJAL,ANA,JASなどの定期便なので乗客がみたのと同じ写真が掲載されています。どの山、どの川などかがちゃんと認定できます。読者も同じ写真を撮ることか可能です。
(2)写真の下に掲載された地図は写真の範囲を示しています。地図にはヒコーキマークがあるので、どの方向から飛んでどのように見たかがわかるようになっています。写真の位置、写っている山などを地図で確認できます。こうした確認作業は知らず知らずに読者の地理的センスを養い、地図を読むことに上達します。
(3)やさしく簡潔な解説は、最近ほとんど学校で学べなくなった地学的な説明を中心にしています。日本の国土、地形をあらためて学ぶことができます。しかも飛行機に乗った気分で、実地踏査以上の学習効果が期待できます。巻末には用語解説もつけてあります。巻頭には写真のテーマを分類した地形地質分類リストをつけました。
(4)自分も飛行機から撮影したいと思われる写真マニアの方のためには、路線別撮影リストが便利でしょう。羽田発千歳行など、路線別の写真番号を掲載しました。旅行にでかけるとき、どの山、どの島、どの都市などが撮れるかをまずみておくことができます。
(5)本書のはじめに位置図があります。掲載写真地点と、すべての空港をしめした、てごろな日本地図です。県境も示してあるので、全体での位置がよくわかります。こうした日本地埋に関する学習はこれからは学校で学ぶことは少なくなるので、本書を眺めることはそうした興味関心の育成に効果があるでしょう。それは、日本の地形や地質、地理に興味を持つ人を増やすという本書の目的にかなうことです。
執筆者紹介:(桑原啓三)アイドールエンジニヤリング専務 元建設省土木研究所部長、地質官を歴任。(上野将司) 応用地質?M理事技師長。(向山栄) 国際航業?M研究室長。