シーメル株式会社発行:税込み価格8,700円
全撮影:Seo Hiroshi(瀬尾央)
発売日: 2005年2月
箱入りハードカバー:415ページ
21.5cm x 30cm
ずっしりと重みのある箱入り写真集です。
解説記事は日本語と英語の両方。しかも正確な英語で記されています。豪華本であるだけでなく、貴重な資料でもあると言えます。
航空自衛隊創立50周年でなければ成し得なかった、写真集。本書のための撮り下ろし写真、発掘写真などを多数収録。
【撮影者・瀬尾央氏、ご本人による本書紹介文より】
航空自衛隊創立50周年を記念した大冊の写真集「JASDF TODAY」のご案内。
本書の撮影者と発行者は、航空自衛隊機カレンダー「AIR FORCE 1986」以来のチームです。本書の発行者は、このカレンダーの制作・発行と並行しながら、「航空自衛隊創立50周年には、50周年でしか作れない写真集を作ろう」という、10年来の夢を持っていました。撮影者もまた、航空自衛隊の半世紀の歴史に見合う、ディティールあふれた内容を、思い残すことなく収録する1冊を作りたいと考えてきたわけです。
撮影者は、幼少時より飛行機好きで、今なお航空機写真を撮ることを仕事にしています。
本書の取材では、一つの基地を都合4回訪れる、1週間のうちに2度沖縄を往復する、など、のべ82カ所訪れることとなり、ほぼ2年間、これにかかりきりの態勢をとりました。
その結果、航空機空撮の部分では、長年来念願であった全航空団全飛行隊の空撮をすることができました。
しかしながら今回は、航空機だけが航空自衛隊か?です。空自の全貌を、分かる範囲にせよ、プロポーショナルにとらえたいと考えました。「組織は人なり」といいますから、つとめて若い隊員のまなざしに注目しました。そして航空機のみならず、離島のレーダーサイトや、教育の現場である術科学校などもカバーしました。
奈良幹部候補生学校の一昼夜歩き通す60km行進や、厳寒不眠不休の戦闘訓練、防府南基地における新人の着隊の様子、対馬北端の海栗島レーダーサイトの先に見る釜山の灯など、撮影していても非常に印象的でした。
撮影者の持つ最も古い航空自衛隊の写真は、1975年夏の岐阜基地におけるものでした。F-1 の原型機となった FS T-2改 が500ポンド模擬爆弾を搭載していました。79年初 冬には東富士で、国産輸送機 C-1 を多数機使った空挺演習を見ました。そして82年には、新田原に最初の F-15 が配備されました。戦技競技会の本格化、飛行教導隊の新編、早期警戒機の導入、そして最近の国際貢献や空中給油訓練の開始など、撮影者は航空雑誌の仕事をしながら、航空自衛隊の変貌と成長の時代を並走してきた気がします。
黎明期の写真については、OBの方々や航空機写真を深い趣味にしてこられた先輩の皆さんに、大きなご協力をいただきました。本書に掲載した最も古い自衛隊機の写真は、アメリカからの4機目の供与機で、その垂直尾翼には、「US AIR FORCE」の「U」を「J」に削り、おそらくは手描きで日の丸を記入した T-6 です。
本書の解説は、赤塚聡、松崎豊一、櫻井定和の各氏にお願いしました。
ぜひ本書を手に取ってご覧いただき、航空自衛隊の半世紀を幾分なりとも共有していただけたらと思います。
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