Airworks:3,086円(税込み)
2,000ftを駆け抜けたグライダーのまなざし:グライダーパイロット必見:若き形成外科医でもあった野崎敏彦氏は奥羽山脈の上空においてダイアモンド賞の時間、距離、高度の3科目を初めて国内で達成した長距離ソアリングの先駆者でした。野崎敏彦氏が自ら操縦しながら撮影した長距離ソアリングの写真は圧巻です。しかし残念なことに、同氏は1999年2月7日に宮城県角田市上空で山岳波による乱気流が原因と思われるモーターグライダーの空中分解墜落事故で急逝されています。野崎氏のご冥福をお祈り致します。
瀬尾央氏(写真家・滑空誌「TP」編集長)の後書きから
日本の空を再認識させた成果と写真
冬の強い北西風が山岳を超える際、その気流は山岳の標高の数倍ものダイナミックな波動になることがあります。これを「ウェーブ」といいます。これをとらえ、エンジンなしで、ジェット機にしか飛べない高度に至ることは、私たちグライダー・パイロットの憧れです。
野崎敏彦さんはさらに、高度獲得のみならず、関東平野から仙台の北へ行きかつ帰ってくるという、それまで誰も成しえなかった、ウェーブを使った500kmを越える長距離ソアリングを達成しました。
また、いつもカメラを携えて飛んでいました。撮影された写真がインターネットで発表されると、世界中から注目を集めました。そして私たちは、日本の空を強く再認識しました。
野崎さんの写真は、グライダーを本格的に始めたころに始まりました。グライダー仲間の活動を撮った写真や、フライトの手がかりとなる雲など気象の写真は、情感があるばかりか、いま、どうすれば最先端を行くグライダー・パイロットが育つのか、それを教えてくれるような気がします。
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